「書で最も大事なことは何ですか」と聞く人がいてました。
「からりとして何にもとらわれることがないことです」と答えると
「では様々な筆法はいらないのですか」と言うので
「達者な人でもコンパスや定規なしでは円や四角を書くことは難しいよ」と。
(『梧竹堂書話』から解釈)
定規をあてて書きこんで、
コンパスを使って練習してしっかりと自分のものにするまで修練をして
それから定規やコンパスを突き抜けていかなくてはいけない。
悟ってしまえば「無法」だが最初からでたらめの「無法」ではいけない。
型破りは型があっての型破り。
身体にしっくりと馴染んで自然とでてしまう、くらいに自分のものにしてこそ本物の書になっていくのだろう。