こう見えても私、国文科卒なのです。
今は国文科そのものがなくなる時代。
国文学をアカデミックな場で学べることは贅沢以外の何物でもないでしょう。
国文科卒とは言っても今はもう文学とは程遠い生活。
書のために何か言葉を探すくらいの恥ずかしい読書生活。
最近は「りぼん」の漫画雑誌を買って少し読む程度(笑)
芥川賞作家を今年こそ読もうと思って、まだ買ってない。
とても人気のようで先日本屋に2件行ったが売り切れでした。
せっかく気持ちが盛り上がったのに。
うまくいかないものです。
ところで、去年お稽古している方から宮内庁書陵部蔵『源氏物語』の複製本を譲り受けました。
桐壺から明石まで。流麗な書がここにあります。
これはすごいともう一度内容を楽しんでみたくなり林望先生の現代語訳をパラパラとしてみたり。
最近本屋で『源氏物語の楽しみ方』と題する林先生のご本も見つけ、こちらが面白く読み始まっています。
初めて「源氏」にふれたのは高校生のころ。
まだ自分を紫の上に重ねていた時代でしたが、今となっては六条の御息所。
相手にされない恋の相手に娘の行く末を心配していることを伝えて死んでいく六条の御息所。
ああ、分かるなその気持ち。
自分がした苦労をさせたくない親心。
最期まで子どものことを思わずにはいられない母の気持ち。
こんな楽しみを今また味わえることを思うと、
私は国文科も悪くないと思うのです。