90歳を過ぎてもう書けないよ、と使わなくなったお道具を譲ってくださった。
お仕事をしながら書を続け、10年くらい前だったか個展を国分寺でなさっていた。
奥様も気さくな方で、臨書展で知り合ってからのお付き合いです。
九成宮醴泉銘での臨書大賞はそれは見事な作品でした。
他にも多くの臨書を拝見しましたが九成宮は十八番だったと思います。
私も書けなくなるまで書いたころにはこれが十八番、なんていうものがあるのかな。
今のところどれも大したことはなく、
顔真卿の楷書を臨書した時には「全く顔真卿とは思えない」と言われがうなだれたのは最近のこと。
頂いた本の中にはたくさんの書き込みやラインが引いてあり、そこを拾い読みするだけで大事なことが大体わかります。
本には皆お勉強の跡が残っていて改めて作品にはたくさんの見えない時間が費やされていたことを感じます。
何事も手間と時間を惜しんではいいものはできないということですね。
コロナ禍で何かと時間はあるこの頃。
手間を惜しまず、地味にコツコツお稽古していきましょう。
死ぬまでには十八番、が目標です。