筆で紙をこすった文字の輪郭線がはっきりしているのに
その外を大きくにじみがある作品を目にしたことはありませんか。
文字の線の外に大きく水分が紙を伝って
新たな形をつくっていますが、
それは何とも言えない穏やかな墨の動きと、
墨色の美しさを感じるものです。
淡墨の作品は多くこの方法で表現の幅が広がっていくように思います。
字として成っていることはもちろんですが、
墨や紙の性質にも慣れておかないとなかなか美しいにじみを出すことが出来ません。
紙の違いには気付きやすいものですが、
墨の違いは始めたことはよくわかりませんでした。
そしてどんな硯ですったかでも発色が変わってきます。
面白いですね。
大根おろしはおろし金で味が変わったりするのと同じです(笑)
そしてする人でも味が変わりますね。
実家では大根おろしをするのは父の役目だったように思います(笑)
墨は病人の女性にすらせるといい、と言うようです。
力はいらないということなのでしょう。
ゆっくり心を落ち着けて墨をすりながら、
にじみを楽しむ時間を
どうぞ。